自分のことより他人のことを考えるのは客観視を持つことができ、また責任と行動力を伴わないため、いくらでも思考の旅をできるからこそよいアドバイスができる。
つまり適切なアドバイスを受けていると感じていても、アドバイスを与える者はその受け手よりもその分野でよりスキルがあるとは限らない。
だからメンタリングにおいて、メンターとその相手は同等の立場であるということが大前提となっている。
アドバイスをする者はこの視点を忘れてはいけない。
この視点を忘れてしまった場合、アドバイスをしている=自分は上の立場にいて自分のスキルは高いというバイアスが掛かってしまい、実際に知見がなくなった場合、経験という名の感情論を織り交ぜた謎の物語を生み出し、それを知見と思い込んでしまう。
その後、実際に主観となったとき、つまり自分が動いたときにアドバイスしていたときと実際の自分のスキルのギャップに差が生まれてしまい、スキルを監督とプレイヤーというふたつの観点に分けてしまう。
そして、自分はもうプレイヤー引退し監督として教える立場に向いているんだなと思い込み、心地の良い管理職に移行してしまうのだ。
こうした悪循環によって、いらない管理職の人間が増えていくのである。
ほんとうにできる人はあらゆる分野でプレイヤーと監督の両方をずっと続けており、また両方ができることこそ真にスキルが高い人といえる。
アドバイザーを探す場合は、なるべくそういう人を迎えるとよい。
逆にスキルの成長段階で教える立場が増えている人は、これを忘れてはいけない。