下記を参考に面接のお勉強をした。
参考:https://liginc.co.jp/558801
参考:https://rework.withgoogle.com/jp/guides/hiring-use-structured-interviewing/steps/avoid-brainteasers/
構造化面接とは、あらかじめ評価基準(アセスメント)や質問項目を定め、手順通りに実施していく手法である。
構造化面接の導入により面接の通過基準が面接官によって属人化し採用基準が異なってしまうことを防ぎ、ダイバーシティー(多様性)に富んだ応募者グループにとって面接が公平となることがメリットといわれている。
アセスメントは面接官が主観で判断することをなくし、確証バイアス(自分の中にある無意識の偏見や信念に強く影響される偏り)を取り除く必要がある。
構造化面接のポイント
Googleの場合、下記のような事項を定めている。
・職務に関連性のある、吟味された質の高い質問をする(難問奇問をしない)
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/hiring-use-structured-interviewing/steps/know-the-components/
・評価担当者が簡単に回答を審査できるように、応募者の回答に対する総合的なフィードバックを文書にする
・優れた回答、凡庸な回答、劣った回答がどのようなものかについて、すべての評価担当者が共通の認識を持てるように、標準化されたプロセスで採点する
・面接担当者が自信を持って一貫性のある評価を行えるように、面接担当者へのトレーニングを提供し、調整を図る
このなかで、言葉では示しにくい「共通の認識」がもっとも難しい判断基準である。
そのためには、マインドではなく、過去の振る舞いや実績に基づいた質問を投げかけることがアプローチのひとつとしてある。
以下、そのアプローチの例を引用する。
・創造的思考:過去に上司に行った提案を2つ教えてください。その提案はどうやって思いつきましたか? また、どうなりましたか? その結果についてどう思っていますか?
・創造的思考:業務効率化のためのアプローチについて説明してください。どのように問題を特定するか、どのように問題の影響を調査するか、どのように問題に対処するか、どのように効果測定をするかを具体的に説明してください。問題の特定から解決に至るまでの具体的な話を教えてください。
・顧客志向:職場にて助けが必要な人に気づいたことについて教えてください。助けが必要なことについてどのように気付き、何をしましたか? どのような結果になりましたか?
・柔軟性:この2-3年に発生した変化を余儀なくされたことを教えてください。変化についてどのように感じ、何をしましたか。今はその変化をどのように感じていますか?
・対人関係:他人とのコミュニケーションでうまくいかなかったと感じた場面について教えてください。あなたはどのように対処しましたか?・組織的役割:サポートが得られない状態で仕事をした経験と、どのようになったかを教えてください。
・組織的役割:組織目標を達成するために、チームの一員として働いた経験を教えてください。チームはどのように協力してくれましたか?結果はどうなりましたか?
・専門性:情報分析の上で提案をしなければならなかったことを教えてください。どのような思考プロセスを経ましたか?どんな理由で決断しましたか?
・システム思考:職場や組織のパフォーマンスを自ら責任を持って進めたことについて教えてください。どのようにアイディアを思いつき、どのように実行を移し、どのようにメンバーが変化に対応し、どのように効果測定をしましたか? 振り返ってみて今ならどのようなポイントを変えてみたいですか?
https://www.va.gov/pbi/questions.asp
難問奇問の類ではなく、こうした具体的な質問だとどのような人でも答えやすいため、よりその人の本質を見抜くことができるとされている。
かつてGoogleでは面談の際に、「世界中に猫は何匹いるか?」といったいわゆるフェルミ推定のような奇問を出題していたとされているが、その答えのスコアと実際の仕事のパフォーマンススコアを分析した結果、このような質問は訓練を通じて向上できるようなスキルであることを発見し、また業務必要な分析能力とまったく相関関係がない(フェルミ推定が実際の業務で使うシーンが少ない)ことから、応募者の評価に利用することがなくなったとされる。
またこのような質問は、面接官が利口になった気にさせ、自己満足のみで終えるなどのデメリットもある。
自分で面接の質問を作成する場合、あえて情報が足りないような文章にし、応募者が詳しく聞いてくることを目的とするようなアプローチも有用である。
Google が面接で行う質問は、たいていの場合、まず導入部があり、続いて応募者の思考プロセスを理解するために用意された何パターンかのフォローアップがある。
意図としては、質問をある程度複雑にして、応募者が職務経験から得た知識だけでは解決できないようにするためのようだ。
面接の質問を構成する要素:
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/hiring-use-structured-interviewing/steps/draft-your-interview-questions/
導入部ではシナリオを紹介します。応募者が思考のプロセスを説明したり、場合によっては解決策を提示できるように、明確でわかりやすい文にしてください。シナリオでは通常、仕事上で現実に遭遇する可能性があるが、技術的または職種固有のスキルがなくても対応できる状況を提示します。
フォローアップの質問には、導入部を掘り下げる内容をあらかじめいくつか用意します。問題を解決する方法を詳しく説明するように促す質問をすれば、応募者から非常に詳しい説明を引き出すこともできます。求められる要件のリストを参照して、導入部に含まれていないものを特定し、フォローアップの質問でそれらの領域を取り上げるようにしてください。
このような場合、面接担当者は正解かどうかを評価することに気を取られず、応募者が問題を掘り下げ、意味を明らかにし、解決策を示すために用いた分析思考プロセスを審査することを心がける必要がある。
また質問の種類の違いを理解することも大切である。
構造化面接の質問には、行動についての質問と仮説に基づく質問の 2 種類があります。行動についての質問では、以前の業績についての説明を応募者に求め、現在の職務で求められるものと照らし合わせます(「~のときのことを話してください」)。仮定に基づく質問では、職務に関連した仮定の状況が提示されます(「もし~だとしたら、あなたはどうしますか?」)。たとえば、面接では次のような質問があります。
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/hiring-use-structured-interviewing/steps/understand-behavioral-vs-hypothetical-questions/
・行動についての質問: あなたの行動がチームに良い影響を与えたときのことを話してください(フォローアップ: あなたの第一目標は何でしたか、その目標を立てたのはなぜですか?同僚はどのように反応しましたか?今後はどのような計画がありますか?)
・仮説に基づく質問: メールサービスを提供する業務を行なっている際、競合他社が、自社サービスに月額 5 ドルの課金を始めたとします。あなたは、その状況をどのように評価し、チームに何をするようにすすめますか?(フォローアップ: 推奨案を伝える前にどのような要因を考慮しますか?推奨案のメリットとデメリットは何ですか?それが今後も持続可能なモデルかどうか、どのようにして評価しますか?組織全体にはどのような影響があるでしょうか?)。
行動についての質問は、応募者が過去の状況にどのように対処したかを検証するために使用します。また、仮説に基づく質問は、将来の状況への対応を評価するために使用します。行動についての質問は、行動のパターンを明らかにするうえで有効であり、仮説に基づく質問は、応募者が新しい状況にどのように対応するかを確認できます。
このように、面接はまるで絵を描くかのようにわかりやすく、かつ回答の尺度をしっかり見抜けるような質問を用意することが望ましいとされる。
面接時の心構え
面接官の態度も重要で、構造化面接に限らないが、下記のようなことを意識すると良い。
- いきなり質問を始めない。
- アイコンタクトをとる(メモに集中しない)
- 謙虚になる
- 見込みがない応募者でも誠意を持って対応する
- 評価は全体のレベルと具体例を挙げる(「優秀」に丸をつけるだけで、模範的な回答をしたことがわかるから、それ以上のレベルのことを補足説明として入れる)
- 先入観をなくし、ダイバーシティーに配慮し、あらゆる層や性別に向けた表現にし、直感的で専門用語や略語を避けた言葉をつかう(ビジネスの観点からも道徳的観点からも重要)
- 面接事後アンケートで応募者から改善案を提示いただく
Google が求める4つの要件
面接の質問を作成する際には、応募者に何を求めているのかを理解しなければならない。
そのためには職務内容を見極め、その職務で成果を挙げる人の要件と行動を特定することが必要だ。
Google では採用の際に下記のような4つの要件を定めているようだ。
1. 一般的な認知能力: Google は、新しい状況を学び、それに適応できる有能な人材を求めています。これは、GPA や SAT のスコアではなく、応募者が現実の難題をどのように解決し、どう学ぶかを重視するということです。
2. リーダーシップ: Google では、「エマージェント リーダーシップ」という特定の種類のリーダーシップを求めています。これは、正式な肩書きや権限を持たないリーダーシップの一形態です。Google では、さまざまなチームメンバーがリーダーの役割を引き受けて貢献する必要があり、このようなリーダーシップは、彼らが持つ特定のスキルの必要性がなくなればそのリーダーの役割を退くという、シビアな責務でもあります。
3. Google らしさ: Google では、応募者が Google で能力を発揮できるかどうかを判断する物差しとして、あいまいさを許容できる性格、積極的な行動力、協調性の 3 つを持ち合わせているかどうかに注目しています。
4. 職務に関連した知識: Google は、応募者が成果をあげるために必要な経験や経歴、スキルなどを備えているかを精査します。
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/hiring-use-structured-interviewing/steps/define-hiring-attributes/
質問の評価基準を定める方法
質問を作成したら、それぞれの質問の返答を評価するための判断基準を考える必要がある。
その判断基準をre:Work様より拝借。