ある中心的な質が存在する。それは人、町、建物、広野などの生命や精神の根源的な規範である。この質は客観的かつ正確ではあるが、名付けることはできない。
この質を自己の生命に求めることは、万人にとっての基本的命題であり、すべての個人の物語の要である。それは、自分が最も生き生きとする瞬間や情況を求めることである。
(中略)
建物や街の無名の質は、人びとの平凡な日常生活から間接的に生成されるだけで、人為的にそれをつくることはできない。ちょうど、花が種から生成されるだけで、人為的にそれをつくれないのと同じである。

C.アレクサンダー著「時を超えた建設の道」
江渡浩一郎著「パターン、Wiki、XP 〜時を超えた創造の原則」より

街や建物は厳格なルールがあるわけではないにもかかわらず、自律的に一定の質(らしさ)を保ったまま、勝手に自己増殖していく。
ブランディングの本質はここにある。

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