学生から社会人になるにあたって、状況はどのように変わり、企業が求めるコミュニケーションはどのようなものか、またどう身に付けるかが書かれた本。
感想というかまとめというか。
会話が楽になる方法
会話は目的によって3分類できる。
「議論モード(話す割合:自分5、相手5)」「共感モード(自分2、相手8)」「提供モード(自分8、相手2)」。
このそれぞれを意識して使い分けると、会話が面白くない相手(知識レベルに隔たりがある相手)でも会話が楽になる。
コミュニケーション力を上げる方法
コミュニケーション能力をあげるには「察してくれ」は止める。きちんと伝え、きちんと聞くことが重要。
また次を意識すると展開が見えやすくなったり、交渉ごとをしやすくなる。
- 解決してほしいのか、聞いて欲しいだけか
- 相手が自分に意見を求めてくる場合は、すでに相手の意見が定まっている可能性があるため、それを聞いてみる
- やりたいことを聞くという段階のときには、「何がひっかかっているのか」を聞く
- 聞くことは相手の頭の整理をする時間でもあるため、本音が出てくるのを待つ
また人間関係を壊したくないと思うことこそ、一番人間関係が悪くなる要因だから、衝突を前提としてコミュニケーションをおこなう。
コミュニケーション能力の高そうと思われる人
分析的な観点では、コミュニケーション能力の高そうと思われる人は2パターンだそう。
人あたりが良いだけの人と真にコミュニケーション能力が高い人。
見分け方は、抽象的で難しい質問をすること。
例えば、「Webサイトのデザインをよくするにはどうしたらいいのか」という課題。
前者は何をどうするかわからないため、質問が曖昧になる。
後者はより具体的な質問を投げかけてくる。
面白かったこと
あと中盤にあった面白い内容として、話が浅いとはどういうことか、というのがあった。
- 言葉の意味をよく考えずに使っている
- 成り立ちを知らない(ものごとを表面的にしか捉えない)
- 根拠が薄弱
- 権威に頼った物言い(虎の威を借るなんとやら)
またエンジニアとして考えさせられる言葉もあった。引用の引用だが。
知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。
「プロフェッショナルの条件」上田 惇生訳
また承認欲求のある人ほど、孤立し評価されなくなるから注意とのこと(有名なアドラーの心理学)。
他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。
「嫌われる勇気」岸見一郎