批評家は世界で最も実力のある小説家をも批判することがあるが、その批評家はその小説家以上の小説を書けない。
それは主体になって創造する力があるか、俯瞰して創造する力があるかの違いであり、これは性格的なものだと思われがちだが、そういうスキルと捉えたほうが賢明である。
近年デザイン業界でもさまざまな素材が散らばっていたため、組み合わせでデザインとすることが多いが、それで培われるのは素材を集める力とエディトリアルする力である。
エディトリアルはマネージメントに似ている。
対象が人と情報素材という違いだけで、バランスを見て調整をするのだ。
ただし、マネージメントはコミュニケーションが必要であるため、エディトリアルができるからと言ってマネージメントできるとは限らない。
イチから創造できる要素はもはや、IAデザインやUXデザイン、ワイヤーフレームやフローチャート、ストーリーボードといった論理的側面がほとんどだ。
デザイナーという言葉の定義は日々変わっているのかもしれない。