デザイナーバイアス(無意識の先入観、傾向、偏向)のくだりでよく耳にするこのようなセリフは、ユーザー主体で動くことこそがプロダクトのあり方という意見に帰結する。

しかし、デザイナー以外がプロダクトを始めることができないということを考えると、ユーザー主体で動くことができるようなサービスづくりからデザインは始まっているといえる。

見た目だけじゃなく、仕組みをデザインすることが重要であり、それがデザインの本質である。

残り90%の人々のためのデザイン

デザインのブレイクスルーとして、世界を変えるデザイン では下記のように綴られている。

「世界のデザイナーの95%は、世界の10%を占めるにすぎない最も豊かな顧客向けの製品とサービスの開発に全力を注いでいる」

この言葉のように我々日本人がデザインするものは世界中の裕福な10%あまりの人々のためだけであり、少数のためのデザインといえる。

残りの90%の人々が、資源がないなかでどのように生活を豊かにできるか、その仕組みをつくることが世界中の著名なデザイナーがここ10年以上取り組んでいる課題だと巨大なデザイン協会のお偉いさんに聞いたことがある。

こういった世界に触れることで、自然とデザイナーのデザインもユーザー目線に立つことができるではないかと年末の孤独な夜にそう思ふ。