あんまり普段こういう動画をみないのだが、サムネのパワーワードをみて笑ったので、見てみた。
この動画の感想を語る前に、まずは私がリモートワークをどう考えているかを説明しておこう。
今の会社では3月〜5月の間リモートワークを行なっていた。
僕個人としては社会情勢を除くと、正直リモートワークは反対派だった。
主な理由はコミュニケーションコストと仕事とプライベートの切り替え。
仕事とプライベートの切り替えについては、正直自分の弱みである感は否めないが、経済的に余裕のある個人事業主は自分の自宅とは別に作業場を借りることも多いし、ワークライフバランスを考えるベースでもあるように思う。
コミュニケーションコストについては、いくらインターネット回線が高速化したとしても必ずレイテンシが生じるため、対面と比較するとラグがありなんか喋りにくい。
芸人じゃないけど、人間のコミュニケーションにいて間(ま)はかなり重要に感じる。
あと常に通信接続をしていない場合、通話する、チャットを投稿する、といったひと手間が生じるため、明らかに時間の消費に感じる。
一方、リモートワークのメリットとしては、通勤の手間がなくなること。
単純に通勤する時間がなくなり、通勤時の体力・精神的な消費を抑えることができる。
またワーキングマザーの場合は、子供の面倒や家事をしながら(?)仕事に取り組むことができる。
だが、このメリットは会社にとってはどうでもいい(通勤時間は会社としては労働時間に含まれないし、通勤手当を払う必要があるため)し、むしろ公私混同となり、労働時間の減少につながる。
潤沢な会社でもし家庭を優先しても働いて欲しいと思うような優秀な人材であれば、会社としてはそのメリットを与えればいいとは思うが、切迫した会社であればそのようなことは認めにくいだろう。
ここまでが僕の思考。
で、現実としては今の会社ではリモートワーク導入前後で多くの社員がリモートワークを希望したそう。
私は東京の部署にいるから、東京の人の声は聞くことはできたが、希望する理由が浅いことにびっくりした。
「別に現状そんなに失敗していないよね」とか「仕事内容は変わんないよね」とか。
そんな1、2ヶ月の経営の数値はリモートになる前の営業の結果だし、仕事内容に差し支えがないとかは、本人が決定するものではなく、周りが決定するもの(指示を仰ぐ側の人間ではなく、指示する側の人間が評価するもの)。
明らかにリモートワークが自分にどうプラスになっているかという内容に触れず、オフィスワークとリモートワークの比較結果を主観のみで評価した内容しか出てこなかった。
リモートワークとオフィスワークの比較であれば、
- 仕事の切迫感を味わえるようにレスポンスは早くすべき(自己防衛本能が働かないように)
- 連絡を密にとるべし
などの心構えが必要だと思うが、そういう内容は出てこなかったように思う。
※ ちなみに他のオフィスにいる人たちがリモートワークを希望する理由についてはそんなに聞くことはできなかったが、リモートワーク推奨となった場合は成果主義をより厳しくしていくという会社方針を押し進めることに抵抗する人が多かったそう。なんだそれ。。
そのとき僕は言いづらい本音を隠して、自己実現を叶えていく人たちだなあと思っていたわけだ。
今回この動画のタイトルをみて、ああ、リモートワークに憧れを抱く人もいるんだなあという気付きを得た。
自分のワーキングスタイルのみを追求し、仕事の内容やその先の動きを見ず、まるで形骸化した自己実現という感じがした。
自己実現としての会社のメリットは周りの刺激があること。それはモチベーションだったり、自分にはない知識や人間関係を得ることなど、周りからの吸収と享受である。
でも逆に言えば、そう言った会社でのメリットを求めないというのは、周りの人間関係のみで自分を形成できる、すでに自分の庭を築いている人なのだなあとも思い、少し羨ましくなった。