社内の情報共有で下記のスライドが紹介されていた。
こちらのスライドを見た感想をまとめようと思う。
スライドの要点
- 「ユーザーに言われたままやること」と「ユーザーのニーズに応えること」は異なる
- 「もっと速い馬がほしい」と言われたとき、最初にすべきことは「なぜですか?」と本来の目的を尋ねること
- そうすることによって、本来のニーズが言語化(=ディレクターの役割)され、ユーザーニーズの理解レベルが向上する
- ユーザーに言われたままやることは、本来のニーズと同様(たとえば、速い馬がほしいというニーズの場合、解決策は速い馬を用意することしかない)のため、別の案を提示することができなくなる(車を用意する、食品を長持ちさせるなど)
- イノベーションは新しいニーズの発見だと思われがちだが、本質的なニーズのよりよい解決策の発見にすぎない
- イノベーションはユーザーに対する深い洞察から生まれる
感想
依頼に対して、ユーザーの言われたままの目的しか解決しない受け身の対応を行なっている場合、やることが決まった段階からプロジェクトを始めることになるため、制約が多いだけでなく限定的な解決にしかならない場合が多い。
例えば記事のサイドバーに人気ランキングを表示したいといった要望があった場合、デザイナーはそのUIを考えるだけが目的となってしまう。
これではデザイナーの仕事内容が見た目だけの限定的なものになってしまい、根本的なニーズの解決策を探すディレクションやUXデザインの領域まで達することができない。
このような場合、例えば人気ランキングを表示する意図(回遊性を向上させたいのか、読ませたい記事があるのか、など)を聞き、その後、そのニーズを満たすためにどのようなことか考察する必要がある。
本来デザインとは目的を達成するための設計であり、その目的が異なるようであれば、それはデザインとは言えない。
デザインを行うために、元来ユーザーの本質を見抜くことはいわば当然のことであり、ディレクションとはその課題を発見するもののことなのであると思う。